細川特任教授(公募班)らの研究成果が論文“Improved data analysis for molecular dynamics in liquid CCl4”がJournal of Molecular Liquids誌に掲載されました。分子からなる液体中を、X線非弾性散乱から得られるような非常に高周波で振動するときの音速は、超音波を用いて測定した音速の値より50%以上も速くなります。 今回新たに開発した解析方法では、X線非弾性散乱から得られる速い音速は、音波の振動の減衰効果に働く摩擦によることを明らかにすることができます。 今回データの解析を行った四塩化炭素では、速い粘性緩和は分子内部の振動に、遅い粘性緩和は分子の回転にエネルギーを奪われることを、そのピコ秒程度の緩和時間が一致することで確かめました。 今回の結果は、アセトン、ベンゼンなどの他の分子性液体にも共通して見られる速い音速にも適用できます。

論文: https://doi.org/10.1016/j.molliq.2023.123828
プレスリリース:熊本大学西日本新聞PRTIMES